人間力を磨くにはどうしたらいい?人間力を構成する要素について解説

「人間力を高めろ」「人間力を磨くべし」といった言葉はしばしば使われます。しかし具体的にどのようにすればいいのかよくわからないという人も多いでしょう。またそもそも人間力とは何かといわれても、漠然としすぎていてうまく説明できない人も多いのではありませんか?そこでここでは人間力とは何か、人間力を磨く方法として何があるのかについてくわしく見ていきます。

◆そもそも人間力とは?

「人間力」と言われても、具体的に何を指すのかよくわからないという人もいるでしょう。人間力とは文字通り、人間としての力、総合的な力のことを指します。しかしこれでも抽象的でピンとこないという人も多いでしょう。人間力は以下で紹介するように、主に3つの項目で構成されていると考えられています。

◆知的要素
まずは知的な要素と言われています。知的な部分もいろいろなジャンルによって構成されています。いわゆる学校で勉強する事柄をメインとした基礎学力、ビジネスをするにあたって必要な専門的な知識、そして人間が活動する中で根っこを構成する論理的思考などが挙げられます。また新しい価値を作り上げていく創造力もこの知的要素の中の一項目といえます。

◆社会関係力
人間、一人だけで生きていくのは現代社会では難しいのです。他者との関係性を構築していき、社会の一員として行動することが求められます。この周囲の人たちとの関係を構築する能力が社会関係力で、人間力を構成する一つです。具体的にはコミュニケーションスキルやリーダーシップなどが含まれます。また自らが社会の一員であることを自覚して、社会全体の利益のために行動する公共心、他者を尊重しつつ、お互い切磋琢磨して高め合っていく相互啓発力も必要です

◆自己制御的要素
先に紹介した2つの要素の土台になる要素といえます。具体的には意欲や忍耐力などが含まれます。自分らしい生き方を追求していく能力なども自己制御的要素の一部分といえます。

◆人間力の高い人とは?

人間力を磨くのは、今まで以上に人間力を向上させたいからです。では目標とすべき、人間力の高い人とはどのような方たちを指すのでしょうか?いくつか特徴的なものがありますので、主なものをいくつかピックアップしてみました。

◆自分自身のことをよく理解している
人間力の強い人は、己をよく知っている方が多いのです。どんなに人間力に優れた人でも、完璧な人はいません。弱さもあるでしょうし、ネガティブな感情を解き抱くこともあるでしょう。このような自分の弱い部分、ネガティブな部分をしっかり受け止めている人は人間力が強いのです。己を知るためには、弱さも含めて自分のことを等身大の状態で受け入れる必要があります。

◆自己肯定感が高い
人間力がある人は、自己肯定感が高い傾向も見られます。自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れる感覚のことです。自己肯定感が低い人というのは、他者と比較して自分を否定的に見てしまう傾向があるようです。人間力のある人は、自分に対して一定の自信を持っているから自分を受け入れることができます。自信といっても、決して語学力があるとか勉強ができるなどの能力面だけではありません。例えば「あの頃は心身ともに疲れ切っていたけれども、何とか乗り切ることができた」「この分野についてはだれにも負けずに取り組んできた」などの経験面からくる自身もあります。

◆思いやりがある
人間力がある人は、利他的な人の多い傾向も見られます。つまり他人に対する思いやりの持てる人は人間力が高いといえます。周りの人々を理解したい、他者にとって貢献できるような人間になりたいと常に頭の中で考えている方が多いのです。

◆人間力を磨くためにやるべきこととは?

「自分も今以上に人間力を高めたい!」と思っていませんか?もしそう思っているのであれば、人間力を磨く必要があります。では具体的にどんなことをすれば人間力を磨くことができるのかについてみていきましょう。

◆主体性に物事を考える
まずはどのような物事についても他力本願になるのではなく、「自分が当事者で何とかしなければならない」と主体性を身につけましょう。そうすれば、物事に対してどうすれば解決できるのか、より良い成果を出すためにどうすればいいか、積極的に考え行動できるようになります。主体性を身に着けると責任感を高められます。また主体性を身に着けるためには、感情的に判断するのではなく冷静に考える習慣をつけることが大事です。グッと自分を押さえて頭を冷やす習慣をつけることで、自己制御力をつけられます。

◆多様な見方を把握する
物事には角度によって、見え方が異なります。そこで自分の考え方や感じ方が、唯一絶対のものであると思わないことです。自分が一つの物事に対してどう思っているかは、あくまでも一部分にしかすぎません。十人十色という言葉がありますが、考え方・感じ方は人それぞれです。自分の見方以外の意見に出くわしたときに頭ごなしに否定するのではなく、「そのような考え方もあるのだな」と思うようにしましょう。そうすることで、他者を尊重・理解することができます。社会関係力の強化につながっていきます。また自分の見方とは異なる価値観に出くわすことで、自分の視野を広げることもできます。

◆言葉遣いを意識する
普段の言葉遣いを十分意識することも大事です。現代社会では他者との関係なしで生活するのは難しいでしょう。そこでコミュニケーションスキルを身につけましょう。その時相手を不快に思わせない言葉遣いを身に着けることも大事です。尊敬語や謙譲語、丁寧語などを適切な機械で使い分けられるようにしてください。これはビジネスの世界で活躍するためにも必要最低限のスキルといえます。

特に昨今、対面式以外にもコミュニケーションをとる場面が増えています。電話やメールのほかにもオンラインチャットやビデオ会議のようなツールも出てきます。相手の顔を見ずにコミュニケーションをとる機会も増えてきているので、なおのこと誤解を招かないような言葉遣いを常日頃から意識することが重要です。

◆常にスタートラインにいる自分を意識する
人間力を磨く作業にはゴールはありません。常に自分は今スタートラインに立っているという意識を持ちましょう。そうすれば、長きにわたって磨き続けることも可能です。もし自分が人間力が身についたと満足してしまっては、それ以上自分磨きをする必要がないと判断してしまいます。そうではなく、今自分はスタートラインにいることを意識してください。人間、年齢を重ねるほどに数では表すことのできない学ぶべき要素が次々と現れるものです。決して現状に満足しないことです。

◆まとめ
人間力とは何か、一言では決して表現できないものです。相手のことを思いやる力、コミュニケーションスキル、幅広い教養などいろいろな要素によって構成されています。どれだけ磨いてもゴールは決して見えないでしょう。そのことを常に意識して、人間力を磨くことは決して怠ってはいけません。ゴールの見えない努力といわれると、途方もなく心が折れかかることもあるかもしれません。しかし人間力を磨き続けることで、周囲の人も一目置いてくれるでしょうし、社会にも還元されるでしょう。決して努力は無駄ではないと思って、自らの人間力をさっそく磨いてみませんか?